個人事業を法人化するとき、フリーランスが会社を作るときなど、会社を設立するときに欠かせない手続きが「会社登記」です。
会社を設立するとき、必ずしもオフィスを借りる必要がないことを知っていましたか？
実は、自宅やコワーキングスペースを「本店所在地」（＝会社の所在地）として会社登記をすることも可能なんです。
会社登記とは
会社登記とは、会社を設立したときに法務局に対して行う手続きのことで、「商業登記」とも呼ばれます。
以下のような、会社の基本的な情報を登録する必要があります。
- 商号（社名）
- 本店所在地
- 代表者の住所や氏名
- 事業の目的
会社登記をした会社の概要は、法務局に登録されます。
この情報は一般にも公開され、誰でも見ることができるので、新たに取引を開始する会社の安全性を測る目安となります。
会社登記と似た言葉に「法人登記」があります。
これは、株式会社、合同会社などの営利目的の法人に加え、一般社団法人、一般財団法人、医療法人社団、宗教法人、学校法人、特定非営利活動（NPO）法人、社会福祉法人など会社以外の法人の設立において必要となる登記を含みます。
会社登記には「本店所在地」が必要
会社登記の際には「本店所在地」が必要となります。
これは個人における住所のようなものですが、本店所在地の住所に関する制限はありません。
つまり、必ずしもオフィスを構える必要はないということです。
自宅や居住している賃貸マンション、倉庫など、どこの住所でも法務局へ申請することが可能です。
ここでは、自宅、そして賃貸オフィスを「本店所在地」とした場合のメリット・デメリットを考えてみたいと思います。
自宅を本店所在地にするメリット・デメリット
自宅を本店所在地にする最大のメリットは費用面でしょう。
会社を設立しても、事業が軌道に乗るまで数年かかるケースも少なくありません。
この間の出費はできるだけ避けたいところです。
また、住居と一緒ですので家賃がかからず、月々のランニングコストも低く抑えられます。
また、光熱費や通信費は、会社の事業として使う部分を経費として計上することが可能です。
デメリットはプライバシーの問題。
住居の住所を公開することになるので、いきなり見ず知らずの人が自宅を訪れることがあるかもしれません。
また、自宅を事業所としていることで、商売の規模が小さく見え、取引しても大丈夫だろうかと不安にさせてしまう可能性もあります。ただ、特にWeb関連の仕事の場合は自宅を事業所にするケースもよく見られるので、業種によっては気にする必要もないかもしれません。
賃貸オフィスを本店所在地にするメリット・デメリット
会社を作った以上は賃貸オフィスを借りたい、と思う人が多いのではないでしょうか。
賃貸オフィスを本店所在地にする場合もメリット・デメリットがあります。
メリットは、外から見たときに信用を得やすいこと。
自前のオフィスを持っていることで、信頼度が高まります。
新たに社員を雇用する場合も、オフィスがあればスムーズですし、接客スペースを設ければ、取引先の会社との打ち合わせもしやすいですね。
一方、デメリットはコストが高くなるということ。
オフィスを借りる際の初期費用が家賃の数カ月分というケースは珍しくありませんし、その他に保証金や手数料などが発生します。デスクやいす、棚などのオフィス用品を揃えるのにも費用がかかります。
当然、オフィスの賃料も毎月支払わなければなりません。
コワーキングスペースで法人登記をするメリット
自営業、フリーランスの方がよく使われるコワーキングスペースでも、会社登記が可能なところがあります。
実は、コワーキングスペースでの会社登記は、自宅や賃貸オフィスでの登記に比べてメリットが多いんです。
- イニシャルコストやランニングコストなどを削減できる
- 自宅の住所を公開しなくていい
- 郵便物を受け取ってもらえるサービスを提供しているところも
- オフィス用品を全て揃える必要がない
もちろん、以下のようなコワーキングスペースの利点を活用することもできます。
- 人の出入りが多いので、人脈を作りやすい
- 他業種との関わりができ、そこで新たな事業が生まれることも
- 協業することで事業が拡大しやすくなる
- 打ち合わせなどに利用できる会議室などが備わっている。
- Wi-Fiなど通信環境も充実
ただし、コワーキングスペースで会社登記をする際、仕事をするスペースを使うためには別の契約が必要になるケースもあるので、事前に確認しておきましょう。
コワーキングスペースで会社登記をするデメリットとしては、コワーキングスペースが閉鎖、移転してしまったときに、本店所在地も移転しなければならないということが挙げられます。
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